【ハーメルン】セブルス=スネイプの啓蒙的生活
作者:亜希羅
原作:ハリー・ポッター ブラッドボーン
熱中度 ☆☆☆☆☆
再読回数 ☆☆☆
ハリー・ポッターとブラッドボーン、サイレントヒルなどの多重クロスオーバー
ジェームス・ポッター、シリウス・ブラックらに苛烈なイジメを受けていたセブルス・スネイプは、好いていたリリー・エバンスの前で辱められ、さらには彼女に対して暴言を放ってしまいます。
それをきっかけとして学生生活に耐えられなくなった彼はホグワーツを出奔、失意の放浪の末にたどり着いたのは山間の古都「ヤーナム」でした。
狂気と啓蒙に満ちたヤーナムをリリーへの恋心を寄る辺としてなんとか脱出した彼は、狩りに優れ、無慈悲で、血に酔っているよい狩人となってしまいました。
その後にスネイプは世界を巡るのですが、啓蒙高い彼が経験するのは常軌を逸したモノばかり。
ついには嫌気が刺した彼は、「闇の帝王」が暗躍する故郷へと戻ります。
読みやすいですし、面白い。超おすすめです。
ハリポタ2次やクロスオーバーはそれなりに読んでいたのですが、本作はかなり自分好みです。一番好きかも…
本作のスネイプは原作とは違ってホグワーツからリタイアしてしまいます。そのため闇の陣営に入ることはないのですが、代わりにヤーナム帰りの一流狩人となってしまいました。
ブラボ本編を経験したスネイプなので、その実力はお察しです。
闇の陣営()。
ブラッドボーンとハリポタ魔法界の年代観というか、なんちゃって近代観がマッチしているので、クロスオーバーにあまり違和感はありませんでした。
スネイプがヤーナムを生き抜くっていうのも、原作からして狂気じみた愛情を抱き続けた人ですし、納得といえば納得。元々複雑な背景を持った魅力的なキャラなので、血と冒涜に親しむ狩人版スネイプは一層魅力的です。
多重クロスらしく、今のところ(14話時点)サイレントヒル編がありますがそちらも秀逸。サイレントヒル主人公のハリー・メイソンと奇妙でタフな友情を育みます。
一部キャラはオリジナル色というか2次色(ダンブルドア教授の腹黒キャラなど)が強かったりしますが、ハリポタ二次慣れしていればさほど気になりません。
超おすすめ。
毎秒更新して。
【ハーメルン】勇者ヨシヒコと魔王カズマ
作者:カイバーマン。
原作:この素晴らしい世界に祝福を! 勇者ヨシヒコ
熱中度 ☆☆☆
再読回数 ☆☆
この素晴らしい世界に祝福を!と勇者ヨシヒコのクロスオーバー
魔王の恐怖から幾度も世界を救った勇者ヨシヒコは、仏のうっかりで異世界に逃げてしまった魔王を追いかけて「この素晴らしい世界に祝福を!」の世界へとやって来ます。魔法使いメレブ以外の仲間とはぐれてしまったヨシヒコたちは、とりあえず仲間を探すことにします。その最中に二人は泣いている蒼い髪の少女に出会いました。
2010年代にカルト的人気を誇った低予算ドラマ「勇者ヨシヒコ」と、2010年代になろう原作アニメの流行を先駆けた「この素晴らしい世界に祝福を!」のクロスーバー。
もう、すごい出来です。
勇者ヨシヒコ好き、あるいは一度でも見たことがある人におすすめです。
キャラクターたちの掛け合いがまんま勇者ヨシヒコノリで、彼らが話しているのが違和感なく自然と浮かんできます。アクア様の違和感のなさがすごいです。面白いクロスオーバーものはたくさんありますが、これほど違和感のないクロスオーバーはかなり珍しいと思います。
ストーリーは割と大味なところがあって、それもヨシヒコっぽさがあります。
「このすば」しか知らないとついていけないかも?
両方知っている人にとっては奇跡的なベストマッチに感じると思います。素材良すぎて手本にならないクロスオーバー作品。
【小説家になろう】鷹は瑞穂の空を飛ぶ~プラスチックの専門家が華族の娘に転生したので日本は化学立国になります~
作者:コモンレール
熱中度 ☆☆☆☆
再読回数 ☆
ジャンル 歴史
明治時代の日本に、五摂家の娘として転生した主人公。生前は高分子を専門とする化学者だった彼女は、後年にアメリカで発明されるはずだった66ナイロンをはじめ、当時は開発されていなかった様々な物質を生み出していきます。
歴史モノは大好きなのですが、そろそろ戦国時代転生でおなか一杯になってきたときに出会いました。戦国モノも面白いんですけどね。あっちの信長とこっちの信長で行ったり来たりするのに疲れてたんです。
本作ですが、今まであまり読まなかった近代日本をベースにした作品です。この時代を取り扱っている作品自体少ないんじゃないかと思います。
そしてさらに珍しいのが、科学ではなく、化学チートというべき主人公の能力です。現代知識を過去で披露する科学チートは食傷気味だったのですが、本作の主人公は化学極振り。また解説もわかりやすいため普通に「へー、すげー」と感心できます。
扱っている時代が珍しいので、戦国モノほどとっつきやすくはないかもしれません。
ただ、司馬遼太郎氏の「坂の上の雲」好きなら、それを背景知識に楽しめる作品です(50話前後の時点)。
おすすめです。
坂の上の雲もおすすめ。
【ハーメルン】ブラック企業社員がアイドルになりました
作者:kuzunoha
熱中度 ☆☆☆☆
再読回数 ☆☆
アイドルマスターと北斗の拳のクロスーバー。トランスセクシャル。
数多のブラック企業を渡り歩き、過労死した男がアイドルマスターの世界に転生したお話。転生先のお母さんがアイドルユニットのオーディションに気を利かせて応募したことがきっかけでアイドル業界へと進みます。転生特典である北斗神拳を駆使し、芸能界の荒波を巧みに乗り越える主人公は、サバイバルアタック系スポーツエンターテインメントを皮切りにバラエティ方面への頭角を現してゆきます。
アイマスはアーケードと無印を少し、北斗の拳は原作を読んだことがありませんが、楽しめました。めちゃ面白いです。
主人公の七星 朱鷺は名前が同じだからという理由で『トキ(北斗神拳)と同じ程度の能力』を転生特典として授かります。ただ本人は前世の苦い記憶があるために、今世では堅実に、両親が営む医院を継ぐべく勉強に励みます。幼少期からそんなカンジだったので、女の子らしさを身に着けてほしい両親は不承不承ながらもアイドルになった朱鷺に喜び、朱鷺自身も周囲にいる仲間やファンとの交流を通してアイドルにやりがいを抱き始めました。
さらなる飛躍を目指して北斗神拳を解禁してからが本番です。
読みやすい文章にコメディ展開が加わり面白さが加速します。
鳥人間コンテスト、ニコニコ動画、クソゲーRTA、ゲームセンターCXなど、ある世代にはクリティカルな内容がいちいち秀逸です。
朱鷺の前世にまつわるお話はシリアスな雰囲気を匂わせたり、事務所の方針転換でグループがピンチになったりと話の展開も起伏に富んでいて飽きませんし、なにより北斗神拳伝承者の安心感をもって読み進めることができます。オススメ。
【ハーメルン】カーマインアームズ
作者:放出系能力者
熱中度 ☆☆☆☆☆
再読回数 ☆
変わった異世界転生モノです。
最高峰の念能力者となってHUNTER×HUNTERの世界に異世界転生することを願い、そして実際に転生した男・・・を食べたキメラアントの話。
原作において「摂食交配」という方法で繁殖するキメラアントに捕食されたことにより、主人公(クイン)は人間の心というべきものを持って、小さな虫として生まれました。人間になりたいという願いをもってはいましたが、クインは小さな虫で、しかも周囲の環境は過酷です。人間になるため、生き延びるためにクインは必至に念を鍛えることになります。
コツコツ強くなっていく系の話は結構好きで、序盤の流れは「転スラ」や「蜘蛛ですが、なにか?」に似ています。語り部であるクインが四苦八苦している様子も伝わってきてとっつきやすい文章ではありますが、物語の展開や語られていないモノの不気味さなどが合わさって独特な雰囲気を醸し出しています。
クインの念能力は「人間になりたい」という願いから作られたものです。しかしながらクイン自身が、生存のためにより狡猾に、より効率的にと環境へ適応してゆきます。その変化のおかげでクインは命をつないでいくのですが、彼女の願いがどんどん歪になっていっていくようで、読み手の不安が増大していきます。
物語のスピードは速すぎず遅すぎずで快適です。ボリュームは100話をこえていますが、章ごとに分けられているので冗長さがありません。各章が読み応えがあります。
ストーリー展開も面白いので最高に熱中できる作品です。
平日でも思わず夜更かしする面白さです。タブレットで読んでて気が付いたら早朝4時だったときは血の気が引きました。それが二日連続で起きるくらい熱中できます。
【ハーメルン】貞操逆転世界観童貞辺境領主騎士
作者:道造
熱中度 ☆☆☆☆
再読回数 ☆☆
男女比が女性に偏った異世界。社会は女性を中心に運営され、男性はなよなよした容姿が好まれる世界観で、主人公は小領主の息子として転生します。家督を継ぐ頃には2mを超える偉丈夫に成長し、数少ない男性騎士として活躍する主人公は、訪れた王都にて第二王女ヴァリエールの相談役になることを持ち掛けられます。
転生した貞操逆転モノだと、前世だとパッとしない主人公が異世界ではイケメンとしてすぐに女性たちに受け入れられるパターンを結構見かけますが、本作の主人公は異世界目線で見ると受け入れがたい容姿をしています。
そのため、鍛え上げた肉体でもって築き上げた戦歴によって周りの女性たちからは一目置かれるようになります。女性騎士が一般的な中で、唯一といっていい男性騎士の主人公が抜群の実績を誇っているわけです。
なのでたまにある女性にモテる場面がすごく自然で、読んでいて違和感を感じません。
また、現地の騎士道と現代の道徳を持ち合わせた主人公は普通に好漢です。
おっぱいは好きだが、チヤホヤされて驕るでもなく、ひたすら領主としての務めを全うする。世継ぎは欲しい。
ストレスフリーで読みやすい、おすすめの物語です。
【小説家になろう】ボート暮らし ~優雅から掛け離れた日常~
作者:らいと
熱中度 ☆☆☆
再読回数
ジャンルはヒューマンドラマで日常系
南アフリカ育ちのイギリス人の旦那さんと結婚した青森出身の主人公(奥さん)の、イギリスでの生活を描いた作品。ボートの上での生活という異色な内容です。
南アフリカの広大な自然の中で育ち、悪名高いアパルトヘイトに少年時代を過ごした旦那さん。母親が手渡したわずかなお金をもってイギリスに渡った彼は、あれこれと苦労を乗り越えて主人公と結婚してハッピーな人生を送っていました。そんなパワフルな旦那さんが「ボートに住む!」と言い出したので、主人公は辛くも楽しいボート暮らしを経験します。
イギリスでのボート生活という、めちゃくちゃ興味深い内容です。
読んでいて意外だったのが、そういう生活をする人々が一定数いるということ。家を買うよりコストが安い、地方税を納めなくてもよいなどメリットがあるそうですが、まあ、当然それだけではないわけで。物語に登場する人物は様々な理由を抱えてボートで生活していて、彼らは緩いコミュニティを形成して日々を暮らしています。
川によって違う停泊のルールや、あこがれの大容量発電機。嫌に遠い水の補給場所と職場。
日常の細々としたものすべてが興味深く、また読みやすい文章で綴られています。
日本で生活している僕から見たら、外国での生活というだけで想像がつかないのですが、その上異色のボート生活ですから、その日常はもうほぼ異世界転生です。
作者様の文章の巧みさも相まって、極上の異世界転生モノといえるかもしれません。